大長編小説 夢の城 創作ノート【電子書籍】[ Sylaire ]



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夢の城という長編小説がいかにして誕生したか、これはその背景について書かれた云わば裏話です。
そこで眼にされるのは、随分と身勝手で、独りよがりな話だとお思いになるでしょうが、所詮、小説とはそういうものから出発するものだと信じます。
美しき久。
久の想い出に。
Beautiful Hisa. For memory of Hisa. 今も暮らしている孤独な猫を見ると、そこに久がいるような気がする。
When I see a lonely cat that still lives now, I feel that Hisa is there. 皆が通夜の宴会をしている隣の式場で、棺に入って人形のように化粧をしながら一人孤独に安らっている久の顔を見て、一体この久はぼくにとって何だろう、或いは何だったのだろう?
と考えたが、半ば酔っているせいか、いい答えは見つからなかったし、悲しい感情もその時には沸いて来なかった。
ただ言えることは、魂の抜けた久がそこに横たわっていると云うことだった。
明日になれば、その肉体すら、この世から消えてしまうことになるのだろう。
最後の見納めの姿がそこにはあった。
今までは、その肉体が動き、このぼくに語りかけてくれさえしたしたのに、今は何も言わないし、動こうともしない。
そしてそれが明日になれば、その痕跡すらないほどに、すっかりこの世から消えてしまうのだ。
もう永久にその姿が見れないと思うと、ただただ悲しい。
同様に悲しいと感じている姉さんを除いて、それほど悲しそうには見えない他の人の賑やか声などが耳に聞こえてくるにつけ、やはり久はぼくにとって特別だったんだ、と思わずにはいられなかった。
その特別な久が明日になれば、本当にこの世から消えてしまう。
他には遺骨以外には何も残らない。
そして今、棺に入っている久はその最後の姿を、まるで別れを惜しむかのように、ぼくに見せてくれているのだった。
久という形をしている姿よ、長い間、ぼくと一緒に暮らしてくれて有り難う。
そう、ぼくは、棺に入った久と別れる前に呟いたのだった。
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