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評価：5   レビュー：1件

本書は、｢読む漢字ドリル 同音異義語編｣ (上・中・下巻)に収録した7,295語の同音異義語(同音異義の関係にある諸々の語句、同音異義語の確認対象となる語句)から、｢重要語｣として位置づけた1,371語を抽出して、一冊のドリルにまとめたものです。
本書では、重要語をカテゴリーに分けて整理しました。
カテゴリーは各々の｢重要語｣がなぜ重要か、その理由による区分です。
同音異義語を扱う上で、こうしたカテゴリーでの整理の仕方、注意の促し方は、従来の漢字ドリルには見られない本書の特徴かもしれません。
ポイントを捉(とら)えるための目の付けどころとして着目して頂ければ、今後の学習に役立つかもしれません。
重要語として位置付けた1,371語のカテゴリー毎の内訳は以下の通りです なお、本書の趣旨、特徴等については、｢読む漢字ドリル 同音異義語編 上巻｣の｢まえがき｣及び｢＃この漢字ドリルについて｣をご覧下さい。
サンプルをご覧頂きます。
以下、本書では音読みはカタカナ、訓読みはひらかなで表記しています。
意味が逆の語句 ・世にも稀な｢イカン｣。
：珍しい景色 (異観) ・富士山の｢イカン｣。
：みごとな景色 (偉観) ・｢おーい｣先が楽しみだ。
(生い) ・｢おーい｣先の短い身。
(老い) ・｢カンシン｣に耐えない惨事。
(寒心) ・｢カンシン｣な心がけ。
(感心) ・福祉に｢カンシン｣を寄せる。
(関心) ・上役の｢カンシン｣を買う。
(歓心) ・土台の｢フキュウ｣を防ぐ。
(腐朽) ・｢フキュウ｣の名作。
(不朽) ・目の｢ふち｣を赤くする。
(縁) ・絶望の｢ふち｣に沈む。
(淵、潭) ・｢フドウ｣の地位を築く。
(不動) ・選挙の｢フドウ｣票。
(浮動) ・一部の都市に富が｢ヘンザイ｣する。
(偏在) ・各地に民話が｢ヘンザイ｣する。
(遍在) ・決意を｢ホウカイ｣する。
(抱懐) ・建物が｢ホウカイ｣する。
(崩壊、崩潰) 本書には、この種の｢意味が逆の語句｣(或いは、逆と言うのではなく、対照をなす語句)を、上記の例を含めて、見出し語(イカン、おーい、カンシン、・・・)の総数で35語、語句(異観、偉観、生い、・・・)の総数で77語収録しました。
意味が逆なので、漢字を間違えればまさに文章の主旨もひっくり返ります。
人前でこのような間違いを犯すと大変です。
細心の注意を払うべき語句と言えます。
本編では、その問題文に｢逆｣の一文字を付して注意を促しました。
意味が近くて書き分けに迷う語句 ・行方不明者の｢あと｣を追う。
(跡) ・先頭の｢あと｣を追う。
(後) ・｢イジョウ｣気象。
(異常) ・検診結果に｢イジョウ｣なし。
(異状) ・分譲地の｢イッカク｣。
(一画) ・氷山の｢イッカク｣。
(一角) ・｢イッカク｣一城の主(あるじ)。
(一郭、廓) ・宝石を金に｢かーえる｣。
(換える) ・夏服から冬服に｢かーえる｣。
(替える) ・卵｢がた｣のクッション。
(形) ・血液｢がた｣。
(型) ・温度を｢はかーる｣。
(計る) ・重さを｢はかーる｣。
(量る) ・身長を｢はかーる｣。
(測る) ・字義｢メイカイ｣。
(明解) ・単純｢メイカイ｣。
(明快) 本書には、この種の｢意味が近くて書き分けに迷う語句｣を、上記の例を含めて、見出し語(あと、イジョウ、イッカク、・・・)の総数で236語、語句(跡、後、異常、・・・)の総数で620語収録しました。
一般に注意すべきとされる同音異義語の多くはこのカテゴリーに属します。
本編では、その問題文に、難易度により｢A｣｢B｣｢C｣の一文字を付して注意を促しました。
｢C｣が最も高難度。
文脈に注意すべき語句 ・店を｢あけーる｣。
：留守にする (空ける) ・店を｢あけーる｣。
：オープンする (開ける) ・手を｢あーげる｣。
：指名を求めて (挙げる) ・手を｢あーげる｣。
：殴る (上げる) ・お手｢あーげ｣だ。
(上げ) ・腕前は天下｢イッピン｣だ。
(一品) ・天下の｢イッピン｣を収集する。
(逸品) ・時間の｢いーる｣仕事。
(要る) ・念の｢いーる｣作業。
(入る) ・｢うれーい｣顔。
：悲しげな (愁い) ・｢うれーい｣顔。
：心配そうな (憂い) ・絶対｢オウセイ｣。
(王制) ・｢オウセイ｣復古。
(王政) ・｢かえりーみて｣恥じるところなし。
(省みて) ・｢やさーしい｣言葉で理解させる。
(易しい) ・｢やさーしい｣言葉で慰める。
(優しい) ・｢ライメイ｣が轟き稲妻が走る。
(雷鳴) ・｢ライメイ｣を天下に轟かす将軍。
(雷名) 多くの場合、意味の近さはさほどではない、或いは全く違うのですが、文脈に注意して言葉の意味を正確に捉えないと、用字を、否、求められた語句を間違えてしまう例です。
｢文脈に注意すべき語句｣とも言えます。
本書には、この種の｢文脈に注意すべき語句｣を、上記の例を含めて、見出し語(あけーる、あーげる、イッピン、・・・)の総数で305語(前述の｢逆｣｢A｣｢B｣｢C｣との重複が別途129語)、語句(空ける、開ける、一品、・・・)の総数で546語(｢逆｣｢A｣｢B｣｢C｣との重複が別途281語)収録しました。
一般に注意すべきとされる同音異義語はこのカテゴリーにも多く見られます。
本編では、その問題文に｢注｣の一文字を付して注意を促しました。
助詞(てにをは)に注意すべき語句 ・鼻に｢つーく｣お世辞。
(付く) ・鼻を｢つーく｣悪臭。
(衝く、突く) ・子供に家庭教師を｢つーける｣。
(付ける) ・子供を家庭教師に｢つーける｣。
(就ける) 備考：付けると書く場合もある ・受験生の家庭教師に｢つーく｣。
(付く) ・ベテランの家庭教師に｢つーく｣。
(就く) 備考：付けると書く場合もある ・海に｢のぞーむ｣部屋。
(臨む) ・窓から海を｢のぞーむ｣。
(望む) ・泥水が｢はーねる｣。
：飛び散る (跳ねる) ・泥水を｢はーねる｣。
：はじき飛ばす (撥ねる) 本書には、この種の｢助詞(てにをは)に注意すべき同音異義語｣を、上記の例を含めて、見出し語(つーく、つーける、のぞーむ、・・・)の総数で5語、語句(付く、衝く、突く、・・・)の総数で12語収録しました。
前項で挙げた｢3.文脈に注意すべき語句｣の内、特にたった一語の助詞によって求められる語句が異なる場合の例となります。
本編では、その問題文に｢助｣の一文字を付して注意を促しました。
送り仮名の異なる語句 ・｢あかす｣：明かす、証す ・｢あかり｣：明かり、灯り ・｢あずかる｣：預かる、与る ・｢あせる｣：焦る、褪せる ・｢あたり｣：当たり、辺り、中り ・｢あわせる｣：合わせる、併せる ・｢おこす｣：起こす、興す、熾す ・｢おさえる｣：押さえる、抑える ・｢わかれる｣：別れる、岐れる、分かれる 本書には、この種の｢送り仮名の異なる同音異義語｣を、上記の例を含めて、見出し語(あかす、あかり、あずかる、・・・)の総数で39語、語句(明かす、証す、明かり、灯り、・・・)の総数で116語収録しました。
本編では、その問題文に｢送｣の一文字を付して注意を促しました。
サンプルはここまでにしましょう。
いかがでしたでしょうか。
｢なるほど！
｣という語句がいくつかあれば、本書も役に立つかもしれません。
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