事実は小説より奇なり 私立探偵【電子書籍】[ さくら京子 ]



03月09日 23時30分更新
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1 ポツリポツリと、街灯の灯り始めたなまめかしい春の宵の街角を、男がコートの襟を立て、肩をすぼめながらそぞろに散歩していた。
あたかも人生の裏街道を歩く泥棒猫のように、ひたひたと足音を忍ばせながら。
そんな男の脇を、ベージュ色の車が一台、スーッと滑るように走り過ぎると、電信柱の剥げかけたポスターの切れ端が、薄明の紫の空にくるくると舞い上がった。
男は舞い上がったポスターの切れ端をチラッとめで追ったが、何でもないかのように、そぞろに散歩を続けた。
やがて大通りから脇道に入ると、男はふっと立ち止まった。
薄明の琥珀色の入り日を背に、わずかに身を屈めて、煙草にぽっと火をともした。
ライターの火が一瞬、男の顔を明るく照らした。
しかし帽子を目深に被った男の顔、鼻から上半分はやはりよく見えなかった!
しかし観察の鋭い人間ならば、彼が一体何者であったか、見抜いただろう!
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