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その日は翌日に控えた海外渡航に向けて、朝から忙しかった。
前もって少しずつ準備しておけばいいのだが、性格でいよいよとなるまで、なかなか重い腰があがらない。
何とか午前中で、荷物の最終チェックは終えることが出来た。
今夜は成田で一泊し、翌朝の第一便でクアラルンプールに向かう予定だった。
少し時間ができたので、しばらく別れることになる、愛犬の桃の介と散歩を楽しんだ。
いつもの散歩コースだった。
ところが人生、いつ、何が起こるかわからない。
一寸先は闇、先のことは誰にも分らない。
突然、遊歩道の茂みから、子猫が素早い速さで飛び出してきた。
びっくりした桃の介が興奮してとっさに走り出した。
その結果のんきにリードを持っていた私が、このアクシデントの被害者になってしまった。
私はスッテンコロリン。
膝を激しく強打した。
しばらくうずくまって痛みにうんうん唸っていたが、さて立ち上がろうとした時だった。
強打しなかった方の足が変な具合によれていた。
なんだ、コレは！
骨折してしまったらしい。
歩くことは出来なかった。
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